内藤まろの書き写したい日本語

親子そば三人客

2013-08-03 内藤まろ

面長で色白な、ちと柄は大きいが、六か七と見えてあどけない風、

結綿の髷がよく似合い、あらい絣の前垂して、立ち働きに繕はず、

衣紋の亂れたのも初々しい。嬌態もなく真直に立って、火を入れるのを見て、

「おゝ、有難う、」と忙しく両手を翳した、客は此の節一寸々々来て

見知越しなので、帳場に座って居た、女房が愛想をいふ。

「飛んだお寒さでございますねえ。」

「寒いッて何うも、」

「妙なお天気でございます。」

 

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