雲雀あがる大野の茅原夏来れば涼む木陰をたづねてぞ行く
ひばりあがるおおののちはらなつくればすずむこかげをたづねてぞいく
夏の夜は篠の小竹の節近みそよやほどなく明くるなりけり
なつのよはしののこたけのふしちかみそよやほどなくあくるなりけり
夏の夜の月見ることやなかるらん蚊遣火たつる賤の伏屋は
なつのよのつきみることやなかるらんかやりびたつるしずのふせやは
露の散る蘆の若葉に月さえて秋をあらそふ難波江の浦
つゆのちるあしのわかばにつきさえてあきをあらそふなにはえのうら
掬ぶ手に涼しき影を慕ふかな清水に宿る夏の夜の月
むすぶてにすずしきかげをしたふかなしみずにやどるなつのよのつき