内藤まろの書き写したい日本語

山上憶良

2013-07-21 内藤まろ

牽星(ひこほし)は 織女(たなばたつめ)と

天地(あめつち)の  別れし時ゆ いなむしろ

川に向き立ち 思ふそら   安らかなくに 嘆くそら

安らかなくに 青波に   望みは絶えぬ 白雲に

涙は尽きぬ かくのみや 息づき居らむ かくのみや

恋ひつつあらむ さ丹(に)塗りの

小舟(をぶね)かもがも    玉巻きの 真櫂(まかい)もがも 朝凪に

い掻き渡り 夕潮に   い漕ぎ渡り 久方の

天の川原に 天飛ぶや 領巾(ひれ)片敷き

真玉手(またまで)の 玉手さし交へ あまたたび

いも寝てしかも 秋にあらずとも

 

反歌

風雲(かぜくも)は二つの岸に通へども吾が遠妻の言(こと)ぞ通はぬ

磔(たぶて)にも投げ越しつべき天の川隔てればかもあまたすべなき

Copyright© 2018 内藤まろの書き写したい日本語 All Rights Reserved.